
身近な方が亡くなると、ご遺族は、様々な手続を進めなければなりません。なかには期限の定められている手続きもあるため、早急に着手し、迅速に進める必要があります。なかでも、相続の対象となる故人(被相続人)の財産を調査し、それぞれの財産の評価を行う作業は、迅速に行うと同時に、正確に行わなければなりません。
こちらでは、相続財産調査とその評価についてご説明いたします。
相続財産調査の進め方
遺産分割を行うために相続財産を把握する必要があるのはもちろんのこと、相続税の納税が必要かどうかを判断するためにも正確に行う必要があります。まずは被相続人の財産内容を明確にしたうえで、相続税の課税対象になる財産とならない財産を区別します。
財産調査を行いながら、被相続人の預金口座の内容や不動産の登記情報を相続財産目録に一覧化していきましょう。また、相続財産には借金やローンといった負債も含まれるため、このようなマイナスの財産も忘れずに調査し、財産目録に記載するようにしましょう。
調査の結果、資産価値のあるプラスの財産よりもマイナスの財産の金額の方が大きく、相続することでかえって負担が大きくなってしまうという場合には、相続放棄等も含めて相続方法を検討する必要があります。
なお、相続財産調査を行ううえでは、「みなし相続財産」にも注意が必要です。たとえば、被相続人の死亡保険金は受取人が指定されている固有の財産でございますので、遺産分割の対象ではありません。しかし、相続税の計算にあたっては、課税対象となる財産として扱う必要があります。こうした相続財産に類する「みなし相続財産」も忘れずに確認しておきましょう。
相続財産の評価方法
預貯金など、相続開始日時点での金額が明確な財産については価値がわかりやすいですが、不動産のような価値が明確でない財産については、別途遺産分割や相続税申告のための財産評価が必要です。
相続財産評価は慎重かつ正確に進めていく必要があります。財産評価に誤りがあると、遺産分割協議はもちろん、相続税の計算に至るまで手続きが誤って進んでしまうことになります。
特に相続税申告における不動産評価は慣れていなければ専門家でも難しいと言われます。土地は国税庁が定める路線価をもとに評価をおこないますが、これだけで正確な評価額が出せるわけではありません。そこに様々な要素を考慮しながら実態に即して評価をしていくことで正しい評価額を計算することができます。評価する土地の種類によっても評価は変わるため、不動産評価は誰が行うのかによって計算額が異なることがほとんどです。
相続税額を計算するにあたっては、相続に精通していることはもちろんのこと、その地域に詳しく、不動産評価に関する専門知識を有する専門家による評価が安心と言えます。
財産調査や財産評価は自分で出来ないわけではありません。しかし、特に相続税申告が必要な場合など、財産評価額が大きく影響するような場合には、漏れなく調査し、正確に評価しなければ、誤った金額で申告することになってしまい、結果として過少申告加算税や延滞税といったペナルティが課されてしまう可能性があります。一方で、納め過ぎたからといって、税務署がわざわざ納め過ぎを教えてくれるわけではありません。
結果、必要以上の負担となってしまう可能性もあります。こうしたトラブルを避けるためにも、相続税申告は相続税に精通した専門家へのご相談が安心です。