相続時精算課税制度は、贈与税の制度のひとつで、原則として60歳以上の父母または祖父母から、18歳以上の子や孫に対して、2,500万円までの贈与に贈与税が課されないという制度のことです。しかし、贈与者が亡くなった場合、その贈与時の価格と相続財産の価格を合算して相続税を計算するため、相続税の支払いが必要になることがあります。もし、相続税が発生しない場合でも、さかのぼって贈与税が課されることはありません。
また、相続時精算課税制度は一度適用すると、その後の贈与にも適用され続けるため、制度を利用する際は、慎重に検討しましょう。
計算方法
(1)生前贈与の贈与税額
贈与額が2,500万円を超える場合、その超過分に対して20％の贈与税が発生します。ただし、相続税の計算時には、既に支払った贈与税額が控除されます。
- （例）5,000万円の贈与の場合だと、（5,000万円 - 2,500万円）×20％ = 500万円の贈与税が発生します。
(2)相続時の計算
相続時には、贈与時の価格と相続財産の価格の合計金額に基づいて相続税が計算されます。その際、既に納めた贈与税は相続税から控除され、支払った贈与税が相続税を超えていた場合には還付されます。
相続時精算課税制度を適用するには？
この制度を利用するには、贈与を受けた翌年2月1日～3月15日の間に、「相続時精算課税選択届出書」を添付し、所轄の税務署に贈与税申告書を提出しましょう。この制度は、一度適用すると変更ができないため、将来、相続税が発生する可能性のある方には適切な判断が求められます。
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